平成27年5月5日(祝火)に東京講道館において、第35回全国少年柔道大会が行われ、川口道場が福井県の代表として参加してきました。
前日に東京について、講道館にて練習を行い、そのあと世界選手権に出場する選手と今年の全日本選手権を優勝した原沢選手たちによる柔道教室が行われました。
この日、試合会場である講道館で練習したお蔭で子供達は、だいぶ緊張がほぐれたようで、試合前の東京を存分に楽しんでいるようでした。
そして試合当日・・・
早目に朝食をとり、みんなで散歩

柔道の創始者の母校の赤門前にて、記念撮影
子供達はここがどこなのかわかっているのかどうかは定かではありませんでしたが、試合前に良い写真が取れました。
記念写真を撮った後に、そのまま歩いて会場入り。
会場につき、まずは試合会場である7階の大道場の畳の上で会場の雰囲気を感じるところから始めました。昨日も練習したはずの道場でしたが、この日は、緊張感が漂ういかにも全国大会!!といった雰囲気がむんむんの会場でした。
会場の雰囲気を感じたら、下の階の国際部道場にて、アップを開始します。
この日のみんなの体調は万全!!初めての全国大会とは思えないくらいにリラックスした状態でアップを行っていました。
この子たちの度胸は大したもんです。自分が全国大会に来た時は、オロオロ(´Д`;≡;´Д`)アワアワになっていたのに・・・
みんないい感じで汗をかいて、いよいよ試合に挑みます。
まず初戦は、佐賀県の代表チームである小城秀島道場さんとの対戦でした。試合前のアップの様子を見ていると、全体的に小柄なチームながら、しっかりと鍛えこまれており、組み手が厳しいチームという印象がありました。また、次鋒に大柄で力のあるポイントゲッターがおりチームとしての相性は少し分が悪い感じでした。
試合前、さすがに子供達の顔に緊張の雰囲気が漂い出してきました。特に、次鋒のショウセイは、だいぶ緊張しているようだったので、
『おまえたちいいな~こんな舞台で試合が出来て。せっかくこういう場所で試合ができるんだから、好きなことやってこいよ!!絶対そっちの方が楽しいから』
と声掛けをしました。
すると、この会場の強面の会場係員のお兄さんが振り返り、
『同感です!』
と一言声をかけてくれました。
いきなりの声掛けに驚きましたが、『ですよね~』と返答し、試合場へと足を踏み入れました。
このやり取りで、だいぶ子供達の緊張も解けたようで、初戦から良い表情で試合場へと上がることが出来ました。
まず、試合を左右する先鋒戦!!
川口道場の切り込み隊長である、小さいおっさんことタイガ!!相手は小兵ながらスピードと多彩な技をかけてくる選手でした。序盤からタイガは、積極的に前に出て組み手争いを行います。

相手のスピードに負けないよう、細かく足を動かし、先に組みに行きます。激しい組み手争いの中、相手の低い一本背負い。完全にまた下にもぐられてしまいました。しかし、ここでタイガが、まさかの『ザンタラヤスキル』にて腹這いに落ちて回避。こんな受け方教えていませんでしたが、集中力がこのような裁き方を行わせたのでしょう。その後、組みかった瞬間大外でいい形を作りますが、引手が切れてポイント無し。一進一退の攻防も両者決め手なく引き分けに終わりました。
続く次鋒戦、相手は巨漢のポイントゲッターの登場です。試合が始まり組み合った瞬間、力で振り回されいきなりピンチを迎えます。何とかしのぎ切るも、かなり厳しい試合であると感じました。その後も相手は、ガンガン攻めてポイントを取りに来ていました。しかし、ショウセイは、攻められながらも、細かく道着をずらし、何とかしのいでチャンスをうかがっています。劣性ではありましたが、心は折れていないようでした。そんな試合中盤、相手の不用意な攻めを利用し相手を倒し有効を奪う大金星!そのまま抑え込みますが、パワーでショウセイの抑え込みから逃げてきました。
ポイントリードしたショウセイでしたが、ここで逆に攻めに出ました。相手を足技で揺さぶり渾身の払い腰。大きな相手がグラつきました。その直後、相手が払い腰の戻り際に小外へ来たところをうまく切り替えし技有!!がっちり押さえこみました。ところがまたパワーでとかれてしまいます。ですが、最後まで相手の猛攻をしのぎ切り、大金星の技あり勝ちを奪ってきました。
とられると思っていたところでポイントを奪い勢いに乗ったと思いきや、中堅のカツキが、相手選手の激しい組み手に苦戦し、なかなか釣り手を持てない展開に。技を出そうにも、組むことすらできない状況でした。苦肉の策で両手で襟を取りに行ったところにタイミングよく肩車に入られ有効を奪われ敗退。全く柔道をさせてもらえませんでした。
1-1で内容でリードするも緊迫した試合で迎えた副将戦。ここで最近勢いに乗る紅一点のリョウカが、流れを引き寄せる試合をしてくれました。長い手足を利用し、先に先に攻撃を仕掛け相手選手を攻めたてます。立ち技寝技ともに積極的に攻め、相手選手に指導が与えられます。最後まで攻め抜き、指導③を奪い勝利。2-1でリードをしたまま大将のケイシにバトンを渡しました。
大将戦、ケイシは、一本背負いを狙ってくる相手に対して、素早く組勝ち相手の崩れを利用し寝技で仕留めて一本勝ち!!
全国大会初の勝利をおさめることが出来ました。この試合のMVPは、ショウセイでしょう!!
あきらかに自分より力のある選手から堂々と組合勝負して勝利してきたということはものすごく評価できます。
大変よい雰囲気のまま、続くリーグ第2戦目を迎えました。
今年から、全国大会では、個人戦が廃止され、リーグ戦で2試合行えるようになっていました。
そして次の試合が、山場である和歌山県代表の九度山柔道クラブさんとの戦いです。
九度山さんは、大将に絶対的なポイントゲッターがおり、できれば前半で勝負したいと思っていました。
まず、先鋒戦。相手選手は学年落ちながら、巨漢でたいへん力強い柔道をしてくる選手で、こちらとしては分が悪い感じでした。小さいタイガは、大きな相手であっても堂々と組合勝負をかけます。危ない場面が多々ありましたが、なんとかしのぎきり引き分け。
ここはやられるかと思っていたので、よく頑張った引分だったと思います。
続く次鋒戦、ここからの戦いが重要であると思っていました。過去練習試合では勝利をおさめた経験もあったので、次鋒中堅で勝利することが出来れば・・・・と考えていました。
開始早々ショウセイの支え釣り込み足で相手を大きく崩します。しかし、有効なポイントはなし。その後相手の低い一本背負いに苦戦を強いられます。試合中盤人また、一本背負いが入ってしまい、投げられたかと思いましたが、なんとショウセイもここで『ザンタラヤスキル』発動!!くるりと身をひるがえし腹ばいで回避しました。
その後、相手の背負いを受けきり今度は寝技で攻めたてます。縦四方で抑える形まで追い込み後は足を抜くだけという場面まで追い込みますが、惜しくもマテがかかってしまいます。そのチャンスを逃した直後でした、組み際の背負いについて行ってしまい有効を奪われ、その後、慌てて技をかけて引手が切れた戻り際に一本背負いにはいられ痛い一本負け・・・チャンスを逃したことで痛い失点をしてしまいました。
この敗戦で、相手に勢いがついてしまったのか、その後カツキが、またしても厳しい組み手に組むことが出来ず、相手の背負いをまたいでしまい有効を奪われ、取り返しに前に出たところ両袖の背負いで技ありを奪われてしまい負けてしまいました。
副将のリョウカも取り返そうと攻めましたがポイントが奪えず引き分け・・・勝負が決まってしまいました。
大将のケイシは、相手ポイントゲッターに何もできないまま、相手に倒され抑え込まれて一本負け。
3-0で敗れてしまいました。
勝つチャンスもあっただけに本当に惜しい敗戦でした。
この後、佐賀県対和歌山県の戦いでは、佐賀県が2-1で勝利!!
1勝1敗で並びましたが、勝ち点で惜しくも敗れてしまいました。
このリーグを勝ち抜けた九度山さんはその後、強敵を次々と撃破し3位入賞!!そういう強いチームと競った試合が出来たということは子供達の大きな自信になったことでしょう。
今回の全国大会を経験して、自分の中にあった不安が少し解消されたような気がしました。まず、福井県は今、少年特別ルールとして両膝はもちろん片膝であってもいきなりつくような技に対して指導を取るという特別ルールを採用して試合を行っています。
この背景には、両膝で危ない技として反則なのに、片膝だったらOKという矛盾があることから、安全面を重視していきなり膝をつく技に反則を適応しています。
しかし全国大会では、片膝は反則にならないため、低い技がかけられるということでその部分に対応できないのではないか?という不安がありました。
ところが今回試合をしてみて、低い技がかけられていてもしっかり対処できていたように思います。それどころか、膝をついて逃げるようなことをしない練習をしていたおかげで自分より力のある選手の技をまともに受けることが出来るようにもなってきており、技の攻防ができるようになっていました。
全国大会で、全国三位になったチームに勝ったチームと対戦して勝利できたというのもそういう部分があったからだと思います。
安全な練習を行い、強化もできた。そんなことを感じることが出来た試合でした。

全国大会で、子供達は本当に堂々とした、そして面白い試合をしてくれたと思います。
この経験を活かして、今後の成長の糧としてもらいたいです。今後の子供達の成長に期待したいと思います。
最後になりましたが今回、この全国大会出場に際しまして、本当にたくさんの方々からお祝いをいただきましたことをここで御礼申し上げます。おかげさまで、全国大会という晴れ舞台に万全の体調で挑むことが出来、川口道場として初の全国大会初勝利を経験することが出来ました。本当にありがとうございました。
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