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2014年7月30日 (水)

福井県夏季少年強化練習会

平成26年7月27日(日)に福井県立武道館において夏季少年強化練習会が行われました。

今回の強化練習会に、お隣石川県から、松任さん、小松さん、中能登さん、能美さんが参加してくださいました。

さて今回の強化練習会で自分は、低学年、初心者の部の指導を担当することになりました。

そこで今回の低学年の練習会のときに、礼法や受け身などの基本的な練習を行いたいと、お願いし、本来『強化』が目的の練習会ではありましたが、あえて初心者を対象とした”基本”の強化練習会を行いました。

今回このような練習会を行ったのには、自分なりに少年指導で思うところがありそのことを何とかしたいという思いがました。

最近、少年柔道界は本当に盛んになり、競技レベルが驚くほど高くなってきていると感じます。

子どもたちの意識、指導者の情熱、保護者の協力により、全国的に競技レベルが向上し全国大会では、本当に驚くほど技術の高い子供たちが試合を行っているように思います。

でも競技レベルが高くなっているのに対して、柔道人口のほうは著しく減ってきてしまっている現状があります。

この原因として、大きなものに昨今の柔道暴力、事故問題があり、柔道に対するイメージがたいへん悪くなってしまっていると思います。また、次のようなことがあるのではないかと考えています。

柔道をしている者の評価が試合の勝ち負けにだけに偏っているように感じます。試合の結果を求めるため、いろいろと省略した駆け足の指導となってしまい、試合に勝つために必要な技術ばかりを詰め込むことが優先されてしまっているように思います。

少年の試合を勝ち負けだけで見てしまうと、身体の成長が早い子が有利になってしまい、そういう選手に勝つためには、反則ギリギリの膝をつく背負い投げや、組み際にぶら下がるように技に入りかけ数で勝利しようとする柔道スタイルが生まれてきてしまいます。そうすると体の大きな子はなかなか組むことができず組めないので組み際の技ばかり掛けるようになってしまいます。

このような技をかけあうと、お互いに不十分な姿勢からぶら下がったり体を浴びせたりで大きなケガにつながる・・・・

そうなったら、『柔道=危険』というイメージを助長してしまう結果となり、柔道の魅力を伝えることができなくなってしまいます。

とはいえ、試合がある以上子供たちは勝たなくては面白くありません。指導者からも親からも勝つことを求められます。

そうなれば益々、駆け足の指導という形になり、柔道をじっくり作り上げる時間が省かれていき、試合テクニックに優れた選手が急ピッチに育てられてしまいます。

これでは、試合に勝つ者だけが楽しい柔道という形になり、入門して間もないものや成長の遅い子がせっかく柔道に興味を持ってくれても、すぐに楽しくなくなってしまいます。

柔道とは本来、自分を高め、周りに感謝する気持ちを持つものであり、柔術という危険な術から危険なものを排除した教育を目的としている『道』なのです。

ヨーロッパでは、教育に素晴らしいものとして柔道はたいへん盛んであり、特にフランスでは、日本より人口が少ないにもかかわらず日本の3倍の登録人数がおり、とりあえず子供のうちは柔道を習わせようという流れがあるそうです。それだけ柔道というものに魅力があり、その指導は、各レベルに合わせた段階的な指導がなされています。

その段階的な指導というものを習い、柔道を始めて間もない選手、ある程度慣れてきた選手、競技で一生懸命やりたい選手と段階的に必要な指導を行っていけば、各ステージで思い切り柔道を楽しむことができると思います。

この部分の格差があるまま、柔道の魅力を伝えようとしても、どうしても勝つ者が楽しいという形になり、底辺の拡大に繋がらないのではないか?そういう疑問があったため、今回、県の強化練習会という場所にて、競技の強化を望むものは大道場、柔道に興味を持ち習いたての子達には小道場にて柔道の魅力を伝える練習会と大きく2つのステージを設けることをしたいと思いました。

小道場での練習では、午前中に返事の練習や、礼法、受け身、寝技の基本動作、午後からは、瞬発力と反射神経のトレーニングと構え方、組み方、身体のさばき方、打込み、乱取り、などを行いました。

特に時間を割いたのが、礼法や受け身です。

まず、なぜ礼法が大事なのか?この部分をしっかり伝えていきたかったのでじっくりと子供たちに話をしました。

柔道は一人では強くなれません。練習をしてくれる人、教えてくれる人、送り迎えをしてくれる人、応援をしてくれる人、人だけでなく練習をする場所、環境が必要となってきます。

このような他人や環境に感謝する気持ちを持つことで、様々な調和が生まれ自分を取り巻く環境がどんどん良くなっていきます。

この感謝する気持ちを体で表現するものこそが、柔道で大事にされている『礼法』なのです。

子供達には少し難しい話だったかもしれませんが、柔道をやるうえでこの気持ちだけは根底に持っていてもらいたいものであり、この気持ちがあれば、自然と柔道の魅力を子供たち自身が伝えていってくれると信じています。

受け身も、大事な技術で柔道の重要な技だと思っています。受け身の練習とは、はっきり言って負ける練習です。受け身をとったら負けちゃいますから。

でもそれでも柔道を習った子はみんなまず受け身を練習します。これは、負ける練習ですが、大事なのはそのあとすぐに立ち上がる練習でもあるのです。

受け身を上手に取れればケガをしない、ケガをしないとわかれば怖くない、怖くなければ姿勢がよくなる、姿勢がよくなれば技がかかる、と受け身が上達することで強くなれるということをいかに子供たちに伝えられるか非常に苦労しましたが、負けて終わりでないのが柔道。負けたらどうしたら次勝てるかを考え、工夫し努力するということ、これも上手な受け身です。体でとる受け身と、心でとる受け身・・・

この両方をしっかりと練習してもらいたいものですね。

この後も、いろいろと勉強した指導方法を使い、子供達と柔道を楽しみました。

最後に乱取りをしてみましたが、この練習になった途端急に消極的になってしまう子供達。まだ、柔道の魅力を伝えるまでには至らなかったようです

最後に、余った時間を楽しいトレーニングで子供達と楽しみました。笑顔で喜んでトレーニングしている子供達。このような積極的な動きで乱取りをしたらきっと柔道が楽しくなるはず!

子供達みんなが、柔道を楽しいと思って積極的に取り組めるような意識つくりをしていけるよう頑張っていきたいと思います。

最後になりましたが、暑い中福井県まで足を運んでいただいた県外のチームの皆様そして、指導してくださった先生方、何より柔道練習を頑張った子供達本当にありがとうございました。

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コメント

ついつい、運動神経の良い子には、呑み込みが良いものですから、張り切って駆け足で指導してしまいます。coldsweats02 
ear耳が痛いですcoldsweats01
先日の強化練習会の昼休みの講習会での片膝の話題もそうですが、選手の事故は指導者や審判が防げるものは防がねばなりません。
形などで忙しいでしょうが、また勉強会お願いしますね。bleah

投稿: クリリン会長 | 2014年7月31日 (木) 18時16分

内容、大変共感しました!先生のような指導者がたくさん増え、子供たちが安全に楽しく、そして熱く柔道出来る環境が整っていくことを心から期待しています!

いよいよ夏本番です!ホル・ヒネを食べながらゆっくりお話がしたいですね(*^^*)

投稿: 柔道3兄妹の父、裕 | 2014年8月 1日 (金) 12時39分

クリリン会長コメントありがとうございます。
能力の高い子や体の大きな子はどうしても試合に勝ちやすいので、楽に勝てるテクニックなどを中心に教えてしまいがちになりますよね。
でも、駆け足の指導で勝ちを覚え、勝つことが楽しいとなってしまった場合壁に当たった時に乗り越える強さと忍耐力のようなものがないような気がします。
勝ち負けだけでない、柔道の魅力・・・・
この部分の育成に力を入れていきたいと思います。
審判の勉強会は、また動画を使ってやっていきたいですね。また宜しくお願い致します。

投稿: 赤ペン先生 | 2014年8月 1日 (金) 13時40分

裕さんコメントありがとうございます。
最近の柔道人口減少の危機に何か対策をしていきたいと思い、今回強化練習会という場ではありましたがあえて基本の練習に力を入れてみました。
そこで見えてきたものは、柔道を始めたばかりの子はみんながみんな勝ちにこだわっていないということ。どうしても、指導者として試合の勝ち負けを子供たちに押し付けてしまいそうですが、試合の勝ち負けではなく己に克つことを教えることが特に大事なのではないかと思います。
その部分をどのように伝えていくか・・・
日々指導者も勉強ですね!!
ホルヒネ会、是非行いたいですね。また宜しくお願い致します。

投稿: 赤ペン先生 | 2014年8月 1日 (金) 14時13分

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