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2014年2月14日 (金)

福井県審判講習会

平成26年2月11日(祝火)に福井県立武道館において福井県審判講習会が行われました。

講師にS級審判員であられる小形健二先生(8段)をお招きし、先月1月17日に決定版となったIJF審判規定の解釈を中心に講習会が行われました。

今回の規定の改定でまたまた大きくルールが変更しました。

大きく変わったところとして

①技の価値・・・一本の価値、有効の定義

②ブリッチ姿勢での着地・・・ブリッチ姿勢での着地のときはすべて一本

③罰則・・・指導の価値と与える場所

④指導を与える流れ・・・組み手や場内外、その他

⑤反則負・・・下半身への攻撃ブロック

⑥抑え込み、締め技、関節技・・・抑え込み時間変更、場内外の対応

⑦抑え込み・・・裏固めの追加

⑧27条について・・・帯の端や上着の裾を体に巻きつけること

⑨カデーU18・・・関節技の使用許可、締落後の試合不可、ダブルレぺチャージ

⑩礼・・・試合の礼法、服装の乱れについて、試合前の握手禁止

⑪試合時間・・・GS無制限、シニア男子5分、女子4分

⑫前日計量・・・体重計測の規定

⑬柔道衣・・・柔道衣サイズの規定

⑭大会当日の呼び出し・・・カウントダウン30秒

⑮試合結果について・・・人為的ミスの場合、審判が試合を降りた後でも覆す事ができる。

とまあ簡単にこの15項目の事が説明されました。

特に、技の評価、指導の取り扱い、ブリッチ着地、反則負、抑え込みの変更については動画を使って詳しく説明していただきました。

特に興味深い変更をまとめてみたいと思います。

①の技の価値では、一本にもっと価値を与え、本当のインパクトを重視して判定する流れにあるようです。なので巻き込むようなローリングの技は最高で技ありになるようです。

また、『スーパー一本』と呼ばれる技が切れすぎて回転しすぎて背中の一部がついた場合は一本と判定するという変更がありました。

有効の定義として相手の体をコントロールして上部側面がついた場合は有効になるとの定義となり、下半身がうつ伏せでも上部の側面がついていたら有効になるようです。動画を確認しましたがこの判定が本当に難しい。とにかく引き手が相手の体の下にある場合で側面は有効になり肘が出ていたらノースコアになるという判断でよいみたいでした。

②のブリッチ着地は、頚椎に対する危険性をなくすためこういうルールが採用されたようで体がアーチを描いて投げられた場合、どのような形でも一本を与えるという事でした。このことで自分は『ザンタラヤスキル』のような受け形をした場合はどうするのかを確認したところ、これは受けのテクニックになるので一本にはならないし、スーパー一本にも当てはまらないとの事でした。

③指導の反則にも変更があり、指導反則はスコアに出てこなくてあくまで技の判定(有効)からスコアに表示されるようになりました。試合の最後にスコアが同等の場合指導の少ないほうが勝者となります。また、GSのときに先に指導が与えられたほうが敗者となります。ちょっとややこしいので分かりやすく優劣を並べてみました。

今までは

一本=反則勝=指導4>技あり=指導3>有効=指導2>指導1

でしたが、変更により

一本=反則勝=指導4>技あり>有効>指導3>指導2>指導1

となりました。

よって、今まであった技ありを取った選手が指導3を奪ったときに与えられていた『総合勝ち』というものは無くなるという事になりますね

指導を与える審判の位置もかわり、反則がおきた場合今までは開始線まで戻って反則を与えましたが、今度からその場で一・二歩下がらせて指導を与えるようになりました

④指導の反則も相当厳しく取るようになるみたいで、組み手切る行為、組み合わない行為、クロスグリップ、偽装攻撃には厳しく指導が与えられるようになります。いろいろと細かくありますが、ようは、ポジティブかネガティブかで指導を与えるかどうかが分かれるようでした

場外指導も変更があり、今までは片方が場外に出てもペナルティはありませんでしたがこれからは、相手に技をかけられていないのに片方の選手が両足でたら指導、片足でてもすぐに戻らなかったら指導、両者が一緒に場外へ出たら両者に場外指導と大きく変わりました

ほかにも、自分で道着を乱したら指導、相手を力で押さえつけている状態をつくったら指導、ベアハグは一回目で指導、上着から出ている裾部分を握った場合すぐに攻撃しなければ指導などもしっかり指導を取るとのことでした

⑤反則負の罰則は、なんと言っても攻撃防禦に関わらず下半身を持ったら反則負になると変更になりました。片方が両膝をついて、片方が立っている場合、そのときにクリアに寝姿勢と判断できない時間で両膝を付いているものが足を触った場合反則となります

このときに質問させてもらった事項としてこの状態で立っているものが大外を掛け手に当たったとしても、攻撃・防禦したと判断されない場合は反則としないそうです

⑥抑えこみで大きく変わったことは、その時間です。今までより5秒ずつ短くなり有効10秒、技あり15秒、一本20秒となります。また、投げ技が決まった位置が場外であったとしてもすかさず抑え込んでいたら(締めや関節も)効力を認められるようになりました。場内で抑えこみが宣告されて、場外へ出た場合でもその抑えこみ(締めや関節であっても)の効力は認められるそうです。また、そこで返してそのまま抑えこんでも待てとはならずそのまま続行となります。

⑦抑えこみは今まで、『袈裟または四方の形』のみしか認められていませんでしたが通称『裏固め』のような背中で抑える抑えこみも認められるようになりました。

⑧は先のオリンピックにて行なわれた絞め技『ゲルビチョーク』のような技に対して明確に反則を取る事を確認された事項となります。もともとあの技は反則でしたが、あの時は、審判が反則と認識できなかったために今後はしっかりと反則を取るために確認されていた事項だと思います。

⑨~⑮の事項では、GS無制限・判定廃止、計量規定や道着の規定など変更がありますが、大会の形式や地方の設備の関係上大会申し合わせで行なわれるケースが多く必ずしも変更どうりに行なわれるかというと疑問が残ります。

かなり簡単にまとめさせていただきましたがそれでもこのような長文となってしまいました。

もうすでに頭から煙が上がっておりますι(´Д`υ)アセアセ

このルールの変更に慣れるまで混乱が予想されますが、一日でも早く新ルールの目的と狙いを理解し正しい審判を執り行えるよう勉強したいと思います。

まだまだ勉強不足で、正確な審判ルールを把握し切れていませんので間違い等あるかと思います。もしも気になる点ががありましたらコメントにてご指摘していただけると幸いです。

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コメント

詳しい解説、ありがとうございます。自分もいろいろ知りたいと思っており、丸岡の先生にもこれからゆっくり話を聞きたいと思います。今回のルール改正により、柔道がどのように変わっていくのかはこれから見て行かなければ分かりませんが、少年柔道にそのままこの改正を適用させると、いくつか問題点もあるように思ってしまいますねcoldsweats01

例として先生のブログの③の項目について、2分ランニングの試合が基本の少年柔道の試合においては(ロス有りでも同じでしょうが)、有効を先に奪われた場合、取った方はその後は指導3までOKなわけですから、取られた選手はその時点で限りなく負けに近づいてしまいますね。2分ランニングで、指導4つも取るほど、それほど厳しくどんどん指導を取っていくのでしょうか?その指導を与える時間も、ランニングではもったいないですし。

もちろん、そのような有効一つを指導3まで守り切るような柔道になってしまわないことを信じていますが。

それに付随して、今回のいろいろなルールの中で、ルールを利用するテクニックを、少年の時に教え込むのもいかがなものかと思ってしまう今日この頃・・・

期待よりも不安が大きいですcoldsweats01 まあ、ルール改正に対応することも重要でしょうが、それよりもなによりも、子供たちにとって分かりやすい柔道・ルールで、豪快でカッコいい柔道を目指していける体勢であればそれでいいですhappy01

投稿: 柔道3兄妹の父、裕 | 2014年2月16日 (日) 15時44分

裕さんコメントありがとうございます。
今回のルール改正により、またいろいろな問題が出てくることが予想されます。裕さんが書いてあるように有効を奪えば短い時間内で逃げ切りを考える戦術も出てくることと思います。
ただ、ネガティブ(掛逃げや組合わない)に対する反則は相当厳しくなるようなので、審判の見極めが厳しければ2分ないで指導4になることもありえますね。いずれにせよ、審判員の審判技術の見極めが今まで以上に必要になると思います。
この改正が面白い柔道に繋がればいいのですが・・・・

投稿: 赤ペン先生 | 2014年2月17日 (月) 14時49分

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