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2013年11月29日 (金)

柔道で伝えたいこと

柔道を指導していて子供達に一体何を伝えたいのか?

その部分で、よく考える事があります。自分は柔道が好きで、柔道を続けてきている。それはたくさんの魅力があると感じるからです。

柔道の魅力というのは様々あり、競技的な部分、教育的な部分それぞれたくさんの魅力がありその魅力は現在も新たに発見されたりと、柔道を続ければ続けるほど柔道のすごさを実感する。この柔道を23歳の若さで立ち上げた『嘉納治五郎』先生の偉大さを感じると同時に、その魅力を伝えるということの難しさを感じる日々を過ごしている次第ですcoldsweats01

競技的な部分であれば、勝利したときの喜びと、なんと言っても一本を取ったときのあの快感などは病み付きになるし、またコンタクトスポーツであることで感じることのできる『言葉以上のコミュニュケーション』なども柔道をやったことのある人なら感じることが出来る特有の魅力ではないでしょうか。

教育的な部分は、人と人との絆であったり、感謝を体で表現する礼法や、技術を体得しようとする研究心、そして悔しさから学ぶ向上心などがあげられる。

柔道の基本理念である、『精力善用』(自分の持っている力を最も有効に活用する)という自分自身を見つめ向上していこうという姿勢と、『自他共栄』(自分の成功が他者の成功にも繋がり共に栄えていく)という精神を伝えていくということが柔道の指導における自分の目標である。

でも、現状でそのことをいざ子供達に伝えようとしたときに、やはり上手く伝えきれていないと感じることが多いです。down

とりわけ競技的な部分で勝てる子はよいが、勝たせてあげれない子に、『柔道は素晴らしい』と声高らかに言ったところで伝えることが難しいと感じることが非常に多い。

特に少年柔道では、成長の過程が遅く体格的・体力的な差によって、勝つ喜びを与えてあげれないことが多々ある。勝つことがすべてではないが、子供達にとってこの『勝つ』『負ける』というのは、モチベーションを保つ大きな要素といえるだろう。

また、勝つことが出来る子にも、勝つことにより、自分を特別視してしまい、感謝の心を忘れてしまったり、勝たなくてはいけないというプレッシャーを抱えてしまう子もいることもあるのでそんな中で、柔道の魅力をどう伝えていくべきか何を伝えるべきなのか?頭を悩ませることがとても多いのです。

そんな中、この間の醍醐杯という大会に出場し、その中で感じることのできた柔道で伝えたいことというのがハッキリしてきた。

それには、ある子の小さな変化にあった。

その子は、低学年でありましたが今回の遠征において、たくさん注意をした子でした。低学年であれば仕方のないこと・・・・ですが、あえてその部分を厳しく指摘し本気で何がダメだったかを説明しました。

そして試合で結果が出ていなかったとき負けた試合の後、これまでの行動が結果にも繋がっていくという事を全力で伝えました。その子にとってはつらい時間だったと思います。ですが大会後、その子にある変化が起こっていました。

帰りの準備のため荷物を車から降ろしているとき、その子が真っ先に手伝いに来たのです。普段は、高学年の子達がしてくれていることをその子はいわれていないのに手伝いに来ました。とはいえ、低学年の子ではたいした手伝いができませんが、この『行動をした』という変化に驚きそしてその子の気持ちの変化に確実な手ごたえを感じました。

その子にとって叱られるということはとても嫌なことです。さらに、その子は試合でも負けてダブルで嫌な思いをしています。普通なら凹んで何もしたくないでしょう。_| ̄|○ガックリ

でも、その子の中で『何かを変えなくてはいけない』という気持ちが芽生えそれがきっと行動に移ったのだと思います。

そして、次の日の練習でも行動が一つ一つわずかではありますが今までとは確実に変わっていました。

その事は、自分だけでなく川口先生も感じていたようで、遠征での苦い経験を自分のプラスにしようとする行動がそこにあるように感じました。

この姿を見たとき、低学年でありながら、つらい思いから学習し自分を向上しようとするその子の行動に尊敬の念を抱きながらも、自分の柔道において一番伝えたいことというのがハッキリしたように思いました。

たくさんある魅力の中で、自分が伝えたいこと・・・

それは、『挫折を乗り越え自分の力に変えるたくましさ』です。

柔道をやっていて勝ち続けるということは、ほぼ不可能であると思います。少年のときは力を持っていても、成長の過程で追い抜かれ負けてしまうときが来ると思います。そこで、『なにくそ!』と踏ん張れる心の強さというのが必要であると思います。単に勝つことだけではこの気持ちというのは生まれてこないと思います。

柔道をしていると、楽しいことばかりではありません。つらい思いや痛い思いをしてさらに勝敗がはっきり出る競技ですので敗北による惨めさ、屈辱感などもあります。

でもそこを感じることができるからこそ、仲間や家族の痛みやつらさもわかり、それがわかるからこそ、仲間や家族のありがたみがわかってはじめて人に感謝できるのではないかと思います。

自分は指導者として、その挫折を味わったときに、いかに子供達へそこから立ち上がることを指導していけるか、声をかけてあげることができるかが必要なのではないかと感じることができました。

今回の出来事で、柔道の魅力を再確認すると共に改めて自分の伝えて行きたいことがハッキリしました。

とはいえ、その部分を伝えるにあたりこちらでコントロールしきれているわけでもなく、まだまだ、力不足を感じていますが、ただ、今回は、低学年でありましたが、本気で自分が思っている理想を伝え足りない部分に対して指摘をしたことがその子の心に響いてくれたのだと思います。これが答えでは無いと思いますが、こうやって生まれた小さな変化をしっかり見逃さず見つけてあげてそのことを本人に伝えていってあげたいと思います。

自分の大好きな詩にこういう一文があります。

『柔道では 始めに負け方を教える。 しかも、本腰を入れて 負けることを教える。その代りころんでもすぐ起き上がる。 負けてもすぐ立ち直る。 それが受身の極意。 極意が身につけば達人だ』※相田みつを『受身』より抜粋

このようなことをこれからも伝えていけるような指導をこれからも心がけて行きたいとおもいます。

さて今日の練習では誰がどのような変化を起こしてくれるだろうか・・・・楽しみです。

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コメント

自分が子供たちに柔道を続けていくなかで一番に学んでもらいたいと思っていることは、

本気になる

ということですね^o^ 何事も、本気で取り組むからこそ、負けたら悔しいし勝ったら嬉しい。怒られたら辛いし褒められたらやる気になる。ちょっとやそっとのことで諦めない、倒れてもまた立ち向かっていけるのも、本気じゃないとできません。

でもなかなか本気になるというのはしんどいことだと感じます。どんなことでも本気になるには相当の覚悟が必要だと思います。

たくさんのことを全て本気にはできませんが、自分が一番に思っていることだけは、まわりに何を言われようが、どんなに辛かろうが、誰に笑われようが、信念を持って本気になれる人間になってほしい!だって、長い人生、本当に本気にならないといけない場面で、ヘラヘラ笑ってごまかす人間になってほしくないですから!

投稿: 柔道3兄妹の父、裕 | 2013年11月30日 (土) 22時16分

裕さんコメントありがとうございます。
本気になるということは本当に大事ですよね。
本気になることができれば、短い時間でも大きな変化をもたらす事ができるし、何より自分のことが好きに慣れると思います。
本気になるためには、自分の中で取り組んでいるものに対してプライドが生まれる事だと思います。
そうやって向き合える子を育てられるようにいろんなきっかけを与えて行きたいと思います。

投稿: 赤ペン先生 | 2013年12月 2日 (月) 09時56分

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