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2012年4月 3日 (火)

福井県「安全指導」講習会 後半

前半、2階の会議室で、頭部外傷についての講習を受けた後、後半は1階大道場において、柔道の基本指導についての講習が行われました。

講師の先生は、全柔連教育普及委員会副委員長であられる鮫島元成先生です。

まず最初に、指導者としての心構えの指導を受けた後、この日はとても寒かったため、最初に体を動かしながらの指導を受けました。

軽くランニングをしたあと、さっそく受身についての様々な方法を習いました。

受身の理として、

①体を丸くして衝撃を分散する。

②畳を叩くことによって衝撃を吸収させる。

③叩く事によって、適度に筋肉を緊張させて関節をほぐす。

④頭を上げて顎を引くタイミングをつくる。

としています。

特に④は、一番大事なことで、そして難しいことであるといっていました。

これは神経回路が疎通現象を起こすことだそうです。疎通現象とは、自転車を乗れない子が突然乗れるようになることのような、現象のことをいうそうで、本来人間は体が後に倒れる際、大脳の反射として体が伸びる反射運動がおこります。受身とはこの反射運動を崩すということなので非常に難しいことだそうです

なので受身は回数を重ねてやっていかなくてはいけないのです。

受身の指導原理として、まず単独練習から相対的な練習へ。低い姿勢から高い姿勢へ。その場での練習から、移動を伴う練習へ。やさしい状況から、難しい運動状況へ。部分的な練習から全体的な練習へ・・・・

こういった段階を置いた練習方法が必要であるとして様々な段階指導のやり方を教えていただきました。

まずは後方受身から行い、仰向けの姿勢から首を上げる練習から始まり、次にその状態で畳を叩く練習、畳を打つときに頭を上げる練習、中腰からの後受身、立った状態からの後受身、後に移動しながらの後受身、といった単独練習から始まりました。

次に前回り受身の指導へ。

前回り受身をする際どうしてもうまくできない子には、横転受身という横回転型の受身から取らせるという指導や、上級者になったら、クロス前回り受身という、逆足で踏み込んでの前回り受身が出来ないといけないと指導を受けました。昇段審査などでは、通常右足で踏み込んだ場合右手から回転し左手で畳を打ちますが、クロスでは右足踏み込みで左手から回転し右手で畳を打つという受身も必要だそうです。是は膝車のような受身を受けた際、必ずしも踏み込み足の方向へ受身ができるかというと、そうではないため、こういう受身も徐々に取り入れていかなくてはいけないということでした。

このほかにも八方向に倒れた際の受身、「八方の受身」なるものを指導していただき、このやり方も8方向へ低から高へ、単独から相対へと段階的に変化して行きながらの受身をとるというやり方を教えていただきました。

受身をある程度行い体が温まったところで、柔道の指導法についての講義を受けました。

まず、柔道とは何か?

その答えは「柔道とは、教育である。」では何の教育なのか?

柔道とはもともと、武術、柔術の技であります。いわゆる殺傷技術です。その中から危険なものを取り除いたものが柔道であります。

では、他のスポーツとは何が違うのであろうか?

スポーツの特性として全力を尽くす全力で技を発揮する、発揮しなくてはならないという特性を持っています。

しかし、柔道を習い始めから全力で発揮してしまってはどうなるであろうか?これは安全面で非常に不安になります。

では安全に柔道を行うためには何が必要か?それは『加減しなければならない。』この「加減」こそが、今武道必修化で学校教育に求められている部分である「人間生命の尊重」の教育であるそうです。

「加減」というとなにか手を抜くといったイメージがありますがそういうことではなく、例えば、100m走で加減するとなると、それこそ手を抜くことになってしまいます。ところが柔道で加減をするということは、引き手を最後引き上げて頭を打たないようにする、相手が受身を取りやすいように投げることといった、「相手をかばいながら制する」という気持ちのことです。

この部分は自分も少年柔道を指導していく上で、最も伝えて行きたい部分だと思っています。

加減をするということをしようとするのには、自分の力をコントロールするということが必要になってきます。その力のコントロールにおいて必要なのが、相手と体と体をぶつけ合うような経験という部分だと思います。

今現在の子供達の環境として、お互いの体と体をぶつけ合うコミュニケーションが少なくなっていると思います。生活環境や遊びの種類の変化ということもあり、外で傷を作る遊びというようなものが少なくなり、部屋でゲームを行う遊びへと変化していると思います。このほうが親も怪我の心配も無いですし、何より静かですsmile

でも、子供達の遊んでいる風景を見て、自分が異様だと感じたところは、同じ部屋に何人も集まっているのに、それぞれが携帯ゲーム機で遊んでいる風景です。せっかく友達がいるのにコミュニケーションをとらず、ゲームに夢中になっている。また、そのゲームの通信機能で対戦ゲームをしていたりします。

自分もゲームは好きですし、とても面白いのでゲームをしても良いと思うのですが、このようなコミュニケーションでは、相手に対して加減をするということを学ぶことは難しいと思います。

柔道では、相手と組合、相手を投げたり、投げられたりします。当然痛いですdespair

でも、この痛みを知っているから相手の痛みも理解できると思うし、相手を投げようと、また投げられまいと力を出すことで相手への力の伝え方を学ぶことが出来、だからこそ加減するという事ができると思います。

このことで、相手へのいたわりの精神や、かばうということが学べるのではないかと思います。

もともとが殺し合いの技術だからこそ、『命の尊さ』ということがリアルに身をもって学ぶことが出来るのだと感じています。

柔道を練習することでの意味として、鮫島先生は、

心の面で、相手への思いやり、自制心を育て、相手と協力していくこと。

技の面では、力の加減、相手への対応(三様の練習)、合理的な技を発見させるということにあります。

そして、相手をかばいながら制するということ、そして受けるものは技を受ける「いさぎよく」なければいけないという話をしてくださいました。

また、先生のお話の中で自分が最も感銘を受けた言葉があり、『柔道とは負けを通じた人生哲学』であるという言葉でした。

試合に勝つことが最終目標であるのか、試合に勝つことが人生の勝ちに繋がるのか?試合の勝ちは瞬間のみ、だから勝つために努力した過程とその挫折の中から自己を反省しそれからの自己修正能力を養う事が柔道の指導したいところ。『負けを通じた人生哲学』であると指導してくださりました。

このことは、一朝一夕で学べることではないので、時間をかけて指導して行きたいと思いました。

このあと、技指導として、投げるための下半身トレーニングの紹介や、大外刈の練習方法として『シーソー』という練習方法、最後に体落としの指導方法と受身の練習を行い、今回の安全指導は終了。

短い時間でしたが非常に中身の濃い指導講習会でした。

この講習会で、いろいろな事が学べましたが、指導者資格という制度が導入されるにあったってもっと、様々な角度で勉強していかなくてはいけないと思いました。

今回の講習内容をしっかり復習し、まだまだ勉強をしていきたいと思います。

そして、柔道本来の素晴らしさを、安全にそして正しく伝えて行きたいと思いました。

そのためには指導者は、日々勉強を続けなくてはいけないそう強く思いました。

今回学んだ事を、これからの指導に活かして行きたいと思います。

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コメント

赤ペン先生、おはようございますhappy01


安全講習のお話し、大変勉強になりました。


ありがとうございました。


投稿: ロードマスターズ | 2012年4月 4日 (水) 07時39分

ロードマスターズさんコメントありがとうございます。
この安全講習会では、柔道をより安全に指導するための技術指導だけでなくなぜ柔道が素晴らしいのかを指導していただきました。
自分自身も自分の体験から柔道の素晴らしさを子供達に伝えてきましたが、もっと、別の角度からも素晴らしさを伝えることが学べとても良い講習会となりました。
今回のこういう講習会は、一度受ければもう終わりと言う事無く、何度も受講し、柔道の素晴らしさを安全かつ正しく伝えていけるよう勉強していきたいと思います。

投稿: 赤ペン先生 | 2012年4月 4日 (水) 11時19分

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