« 全国『安全指導』並びに『基本指導』研修会の話を聞いて | トップページ | 『安全指導』・『基本指導』研修会実技指導・立ち技編 »

2011年5月20日 (金)

『安全指導』・『基本指導』研修会実技指導・受身編

前回の日記の続きです。

今回は15日に行われた実技指導の部分を中心に綴っていきたいと思います。

研修会2日目は、まず尾形先生によるコーチング論『柔道指導者とは!!』という講義が行われ次に道場で、基本指導の実際として、高橋進先生、向井幹博先生、山本三四郎先生の講義が行われました。

最初に、トレーニングの方法を指導していただいたそうです。この部分は現在川口道場でも行っているトレーニングと大体似たような内容だったとの事です。楽しくそれでいて全身を使うトレーニングを、あまり負荷を掛けすぎずに行う内容だったそうです。

次に、高橋進先生による、初心者に教える受身の実技が行われました。
まず後受身から!

後受身の指導で、自分達は単独練習からはじめていきます。あごを引かせ、後ろに転がりながら背中を付くと同時に大きく畳をたたかせて指導しています。このとき足をあげるように指導しています。自分もこの様に指導されていました。

しかしこの足を上げる動作、大きく畳をたたく動作は、あごを引きにくい動作だそうです。ある程度筋力のある子ならこの動きでも十分あごを引けますが、小さい子とくに幼稚園児などは、この受身をとらすと頭をぶつけてしまうそうです。確かに幼児の子は頭を支えてあげないとなかなか後受身が出来ません。

そこで、幼児の子の指導する際、まずは仰向けで寝かせ指導者が子供の頭に手を置いて負荷を掛けておき、子供に顎を引かせ頭を上げさせるトレーニングを行わせます。次に身体を起こした状態(長座)から、ゆっくりと後に寝るようにして足はあまり高く上げず、手の音を立てないように、畳に手を置き、後受身の形を作るように指導すると、頭をぶつけなくなるそうです。

この指導は本当に初期の準備段階として行っていく必要があり、あわてて従来の後受身の形を指導するのではなく、この形つくりを行っておく事で安全に指導が出来るそうです。

この初期段階を踏んで、ある程度できるようになったら、今度は中腰の状態からの後受身。このとき踵に近い部分にお尻が着くように指導しないと、勢いがついてしまうので最初は踵のすぐ近くにお尻を降ろすように指導して行きます。

これも出来るようになれば今度は立って後受身。これが出来るようになれば移動しながらの後受身の指導といった、低から高、静から動といったステップアップが必要になってきます。

ここで紹介された移動しながらの後受身は、

1は後ろに移動しながら後受身、2は前に移動して、3は左移動、4は右移動、5は時計回り、6は反時計回りときめ、指導者が番号を言ったことに反応して移動受身を行うといった練習方法を紹介していました。

このとき高橋先生は、

『受身は数をこなさなければいけません。合理的に何かをはしょっても身にならない。ただ、今の子達は単純に数をこなさせても飽きてしまいます。受身の練習も興味付けをしながら、尚且つそこに目的を持って、楽しく飽きさせないように受身の練習を行ない結果的に数多く受身を取った!という指導が必要です』

とおっしゃっていたそうです。

横受身の練習も単独練習から行ないますが、単独練習で行なっている形と実際投げられて横受身を取る場合とでは、実は畳をたたく手が逆の手になる場合がほとんどです。

そこでその感覚を早くに身につけさせる為に、2人組みになり受身を取る子に四つんばいになってもらいます。もう1人の子に横に立ってもらい、四つんばいになっているこの体の下から反対側の手を軽く引っ張ってもらいます。そうすると横転するのでそこで横受身をとります。このときもっている手を『友情の手』として離さないように指導しておく事で、投げた時に引き手を離さないという指導にも繋がります。

次に、受身の練習の応用で技と連動した受身指導として、支えつりこみ足のような形をとり受身を取らせます。

受けは両膝を付きます。取りは両袖(肘の下)をもち相手の横に身体を捌きます。このとき受けに膝を動かさないように指示しておけば体が捻られ横転し横受身を取ることが出来ます。

このほかにも大外刈に対しての受身の練習として、受け、取り共に立った状態で、取りは受けの右側に立ち同側の引き手を引き反対の手で同側の足を抱えてあげます。受けはこの片足立ちの状態から左足の踵にオシリをつけるように尻餅をついて、後受身を取ります。

また、小内刈・大内刈に対しての受身のやり方は、受け取りともに立ち、受けは軽く足を開いておきます。取りは前捌きの小内刈又は大内刈の動きをして刈足を受けの足に当てます。これが合図で、受けはオシリを着くように座り後受身をする。

このように、技と実際に関連させて受身指導する事で、投げられる感覚を正しく得ることが出来ます。
単なる単独練習だけでは、投げられる感覚というのは身についてこないと思います。ある程度単独練習で形が出来たら応用としてこのような相手の動きに対しての受身の練習をする事で、興味付けと倒れる感覚、足の捌きの感覚を経験させてあげることができるそうです。

受身の指導でのまとめ

①止まった状態から動いた状態、簡単な動きから複雑な動きへと段階を置いて指導していくこと。

②受身は数を多くこなさせること。

③子供達が飽きずに、楽しみながら知らない間に数多く受身をしていたという工夫した練習を行っていくこと。

④ただ単に受身指導ではなく、受身から立技に繋がっていくような受身指導が必要。

⑤今まで受身指導で各自指導してきた段階指導において、その間の指導、次のステップに進む為の準備作業をもっと考えよう。確認作業をしっかりとること。

ということでした。

この高橋先生の講義の内容を聞かせて頂き、今まで安全指導に気を使って受身指導をしてきたつもりでしたが、まだまだ認識が甘かったと思います。単なる単独練習だけで余り工夫した飽きさせない受身指導というのは行っていませんでした。

また投げ技一つ一つに対しての受身指導というのも行っていませんでした。

この受身を行う事で、受けの感覚も良くなりより姿勢よく技を受けることができると思いますし、そうする事で技を掛ける方も形を覚えやすくなると感じました。

また、この講義の合間に、受身の安全な技法を研究されている先生に、受身に関しての質問があったらしくその先生いわく、大外刈や大内刈など後ろに倒される場合、どんなに熟練した人でも、後頭部を畳にぶつけてしまう可能性があるため、後方に投げられた場合も横受身を行うと良いそうです。この横受身にもコツがあり、通常、横受身を指導する際、自分の畳を叩いた手を見るように指導していますが、それでは側頭部をぶつける恐れがあるそうです。そこで横受身を取った際、畳を見るように横受身をすると頭部が固定され頭をぶつけないそうです。

実際、自分もやってみましたが、畳をじかに見ようとすると顎が自分の肩付近に当たるようになり固定され確かに安定しているようでした。後、前受身をよく練習すると良いとの事でした。後に倒れるよりも前向きに倒れる事で頭部の怪我の率が大きく下がるとの事でした。今まであまり前受身を取らせていませんでしたが、これから数多く前受身も練習して行きたいです。

こうして受身に対しての基本指導の講習は終了。

続いて向井先生による投げ技の指導についての講義が行われました。

続く

|

« 全国『安全指導』並びに『基本指導』研修会の話を聞いて | トップページ | 『安全指導』・『基本指導』研修会実技指導・立ち技編 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/187942/40059958

この記事へのトラックバック一覧です: 『安全指導』・『基本指導』研修会実技指導・受身編:

« 全国『安全指導』並びに『基本指導』研修会の話を聞いて | トップページ | 『安全指導』・『基本指導』研修会実技指導・立ち技編 »