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2009年9月19日 (土)

本気1

9月に入ってから、練習生で気になる子がいた。

その子は、2年生の男の子である。

8月の終わりに、インフルエンザの影響があり1週間の練習自粛を決行した。沖縄全中があり川口道場からもありがたいことに何名か参加していたのだが、そのとき沖縄では新型のインフルエンザが猛威を振るっていた為、万が一の事を考え練習を自粛していた。

しかし、この長期の練習休みの影響で、道場に来る事が億劫になってしまったようだ。

9月はじめの練習日から、その子は涙ながらに道場に来ていた。この子が柔道を習い始めの時は、よくこのような光景を見ていた。ひどい時には、道場の目の前のおうちの庭に逃げ込んだときもある。

それでも、説得を続け普通に練習に参加していたのだが、長期の休みによりこのときの状況に戻ってしまっていた。

駄々をこねて、泣いているその子を説得し道場に入れてしまえば、練習はしっかり行なっていた。練習が終わり帰る頃には笑顔になっている。

練習もそれなりにきちんと練習できている。

しかし、練習前だけどうしてもすんなり道場に入ってこれないようだった。

練習前・・・・・・・

この時間帯は自分自身も億劫になった覚えがある。

『今からあのしんどい練習をしなくてはいけないのか・・・・・』

と考えると、自然とため息が出て、暗い気分になったものだ。

しかし練習が始まるとそんな事を考えている余裕もなく、一生懸命練習した。練習が終わると練習をやりきった開放感と充実感を感じる日々を繰り返してきたことを思い出す。

なので、練習前のブルーな気持ちはよくわかる。

しかし、いつまでも泣いて駄々をこねているようではいただけない。要は、弱い自分に負けてしまっているのである。

最初の頃は、しっかり自分の考えを伝えなだめて練習に参加させていたのだが、なかなか改善していかなかった。それどころか日をますごとにエスカレートしていっていた。

どうにかしなければいけないと思っていた自分は、腹をくくり勝負に出てみることにした。

あるときの練習後、最初は駄々をこねて泣いていたその子はいつものように練習後は笑顔になっていた。そこで、その子を呼んで話をした。そしてそこで次からはもう駄々をこねないという約束をした。『送り迎えをしてくれるお母さんに迷惑をかけたくないだろ?だから今度は最初から笑顔で練習に参加するんだぞ!!約束な!!』というとモジモジしながらも『ハイ』と答えた。

しかし、その次の練習日。その子はいつものように玄関で涙ながらに駄々をこねていた。

その姿を見たとき、今までとはまったく違う対応をした。その子を奥の部屋に担いで行き、正座させ思いっきり怒った。

小学生低学年相手だが、本気で怒った。

ある文献を読んだ時に、

『低学年の子に怒鳴ったりすると、怒鳴られた事に対して萎縮してしまい何のことについて怒られているのか理解できない事があるので、怒鳴る事はあまりよくない』

ということが書いてあった。

しかし、今回は自分も本気になってその子に自分の意見をぶつけた。約束を破った事、周りに平気で迷惑をかけていること、そして弱い自分に負けて駄々をこねる事でどれだけのマイナスな面があるかを伝えた。

はっきり言って、小学生低学年には難しい内容であったと思う。でも、こっちも本気で指導しているという事をはっきり伝えた。

この対応にはこちらとしても非常に怖い賭けであったが、このままずるずる行くよりも本気の姿勢を見せた方がいいと思ってこのように対応した。

そして昨日の練習。自分が道場に着いた時には、その子はまだきていなかった。自分の対応のせいで益々嫌になってしまったのかもしれない。色んな考えが頭を過ぎった。

しかし、練習開始5分前、その子は笑顔で道場に現れた。

その子には、普通に対応したが心の中では心底ホッとしていた。

練習では、いつも以上に一生懸命頑張っていた。怒られるのが怖くてやらされている練習ではなくしっかり自分で取り組んでいる練習だった。

練習後その子を呼んで、この日の練習の良かったところを伝えた、その子もモジモジすることなくしっかり目を見て話を聞いていた。その後お母さんともお話させてもらったのだがこの日は、行く前にまったく駄々をこねずに練習に来たそうだ。

子供達には練習に対して常に『本気』で取り組むように指導している。その姿勢を伝える為には、自分達指導者も『本気』の姿勢で向かい合わなくてはいけないのかもしれない。

指導者と、子供たちの『本気』が同じ方向を向いた時、そこには飛躍的な成長が待っているのかもしれない。この子の、この笑顔が何時までも続く事を期待したい。

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コメント

いいお話を聞かせていただきました。
簡単に真似できる事ではないでしょうが、見習っていきたいです。
ありがとうございました。

投稿: カニーマン | 2009年9月19日 (土) 14時05分

カニーマン先生コメントありがとうございます。
小学生相手に本気で怒るということに、抵抗と不安がありました。
もしかしたら、柔道に対してマイナスの感情をもつかもしれません。
今回のようにすべてがうまくいくとは思いませんが、これからも本気の姿勢で向き合っていたいです。

投稿: 赤ペン先生 | 2009年9月20日 (日) 01時27分

はじめてコメントします。

この子が柔道を始めた動機は何でしょうか?

投稿: ゴラム | 2009年9月25日 (金) 08時33分

ゴラムさんコメントありがとうございます。
この子の場合は、保護者間の紹介でやってきました。
本人から柔道をやろうという意思があったようではなかったと思います。
体験入門をして、『やってみようかなぁ』と言う気持ちになり続けて練習に来ている子でした。
色んな壁にぶつかりながらちょっとずつ変わってきている様に感じます。
これからも柔道を通じて色々と学んでいってもらいたいです。

投稿: 赤ペン先生 | 2009年9月25日 (金) 13時29分

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