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2008年4月15日 (火)

自分の道を信じて・・・・Yの歩む道2

前回の続き

まじめで頑張り屋のY。
なかなか試合に勝つことが出来なかったが、少しずつ力を付けていき、練習試合などで何度が勝ち星を収めるようになっていった。

しかし、その反面『負けたくない』という気持が徐々に強くなってきて、それが悪い方向に出てきてしまった。


それは福井県内のある大会のとき・・・・

Yは団体戦の選手に選ばれていた。しかしその大会の団体戦は、4・5・5・6・6・6年生で構成される団体戦で、このとき川口道場には6年生がいなかった。
なので、5年生が6年生のところで試合に出なくてはならなかったのである。5年生のYも体重の関係で6年生と戦わなくてはならなかった。

試合が始まり、6年生のいないチームで厳しい戦いが予想されたが、前半の子達が活躍してくれたおかげで次々と勝利していった。

そして向かえた予選リーグ最大の山場。
相手は、前回の大会のときに敗れたチームであった。先鋒戦が引き分けになり、ここからは、前回とまったく同じ顔合わせとなった。

今回の試合では、二人が続けて一本勝ちをしてきた。しかし、前回はここから3人が一本負けをしてしまい負けている。とくに副将、大将は福井県でもトップクラスの6年生、となると勝負はYにかかっていた。

いざ試合が始まると、Yはいつもと違う動きを見せた。それは、いい意味ではなく悪い意味で・・・・
負けないように極端に腰を引き、技も潰れるようにかけ寝技に引きずり込む。2分の試合であったので、この動きが最後まで通用し引き分けてきた。このあと副将は敗れたが、大将が引き分けて2-1で勝利することが出来た。

しかし自分としてはこの勝利は喜ぶことが出来なかった。
以前敗れたチームにリベンジした。前回の試合から半年もしないのに同じメンバーで勝利できたと言うことは非常に喜ばしいことであり、ましてや6年生のいない状態でこのような結果を出してくるとは思ってもいなかった。
子供達の努力を褒めてやりたい気持ちが非常に強かったが、試合の後Yに厳しく注意をした。

『お前がやってきたことは柔道ではない!!逃げ回り自分の動きを捨ててまで勝利しても何の意味も無い。お前は、お前の動きで勝負すればいい。チームの犠牲になる必要はないんだ。オレはお前にそんな柔道を求めていない!!』

実際、Yが引き分けてくれたおかげで勝利することが出来た。しかし自分はそれを認めたくなかった。チームのために一生懸命引き分けを狙う。みんなのために必死でなりふりかまわず頑張ったと思う。
その気持は非常に認めてやりたい。がしかし、このような事でこれから先、自分の形を崩してまで引き分け狙いの選手になってもらいたくなかった。
まだ小学生、この先どのような成長をしてくれるのか楽しみな時期である。
それを目の前の勝利を優先して自分を犠牲にしてまでみんなのために頑張るというのは何か違うような気がした。だからあえて、頑張ったYに対して厳しく注意をした。

Yも解ってくれたのか決勝トーナメントでは、いつもの正々堂々の柔道で戦ってくれた。結果はそのせいで負けてしまったが、それでも胸を張ってよい戦いで、3位入賞に貢献してくれた。

そんな経験が、あったからか益々練習の態度がよくなってきた。当然他の5年生がキャプテンを中心に盛り上げ道場全体が活気づいてきている。

その年の、年末にいつも行なう道場行事である『川口道場納会』のときに、その年頑張っていた選手達にあたえる年間表彰で、誰に一番の名誉がある川口道場賞を与えるか話合った。そのときに、指導者みんなが声をそろえてYに与えてやろうと満場一致で決まった。

試合で結果は出せなくても、目標に向かってひたむきに努力する事ができており、そのほかにも下のものの面倒見も大変よく、何より川口道場の練習の雰囲気を良い意味で作ってくれた。
試合の勝ち負け以上に本当に大事な『柔道』というものを行なっていたように感じたのでYに柔道着を与えた。
Yもまさか自分がもらえるとは思っていなかったらしく非常に驚いた顔をしていたのを良く覚えている。

それから、さらにYは練習に頑張るようになっていった。
その成果によりYも徐々に力を付けていた。
しかし、どうしても負け癖がついているかのように肝心なところでもろいところが直ってこない。

そんなYであったが、飛躍的に成長させる転機がが訪れるのであった。・・・・・・続く

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コメント

指導者としての心意気に感動しました。

投稿: 松任父兄 | 2008年4月15日 (火) 18時13分

松任父兄さんコメントありがとうございます。

松任柔道スポーツ少年団さんにはいつもお世話になり先日も大変練習になりました。ありがとうございます。
これからもちょくちょくお邪魔する事があると思いますが宜しくお願い致します。

>指導者としての心意気・・・・
お恥かしい限りです。

投稿: 赤ペン先生 | 2008年4月15日 (火) 19時16分

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